つみたてNISA(積立NISA)では、最初に選ぶ投資信託で将来のリターンが大きく変わってしまいます。
では、選んでしまった後は何かやることはないのでしょうか?
結論から言うと、「人による」です。もちろんこれだけでは分からないので、詳しく説明していきます。
何もやる必要がない人
積立中に、一切何もやることがない人は、「バランスファンド」に投資をしている人です。
バランスファンドとは、株式や債券に幅広く投資している投資信託のことですね。
イメージだとこんな感じですね。例えば、バランスファンドで有名な「世界経済インデックスファンド」と呼ばれる投資信託の内訳は次の通りになっています。
出典「三井住友・トラスト・アセットマネジメント」
この投資信託は、株式と債券の割合を常に50:50で保有することを目標にしています。通常であれば、自分で調整(リバランス)をしなければなりませんが、バランスファンドの場合は全て運用会社が代わりにやってくれます。
この組み合わせで納得できるなら、この「世界経済インデックスファンド」1本だけの自動積み立手を申し込んで、後は20年間放置するという方法でも全く問題ありません。
そもそも資産運用で失敗する大きな理由は、「自分のタイミングで買ったり売ったりしてしまう」ということなので、つみたてNISA×バランスファンドの組み合わせで投資をしていれば、大きなミスをなくすことができていいですね。
やるべきことがある人
やるべきことがある人は、「複数の投資信託を保有している人」です。
つみたてNISAでは実現しませんが、仮に世界中の株式にだけ投資する投資信託と、世界中の債券にだけ投資する投資信託を、同じ割合ずつ投資しようと思います。決めたこの割合を「ポートフォリオ」といいます。
つみたてNISAの年額上限の40万円すべて投資する場合、20万円ずつ投資すると同じバランスになりますね。
ですが、それぞれの価格は日々変化していくので、1年後にはこのバランスが崩れていることが多いです。
仮に1年後、株式の価格は2倍になり、債券の価格はそのままだったとします。全体では20万円の利益が出ていますね。ですが、そのままにしておくと、最初に決めていた割合と違ってしまいますね。
このままだと、最初に決めていたポートフォリオよりもリスクが大きくなってしまうので、修正しなければなりません。通常であれば、株式を10万円売って、債券を10万円買えば、30万円と30万円と同じバランスになりますね。
そうすれば、最初と同じリスクに戻すことができます。
このように、最初に決めた割合からずれてしまったときに調整することを「リバランス」といいます。
しかしつみたてNISAでは、一度売却してしまうと枠が使えなくなってしまいます。これはつみたてNISAのデメリットとはいえませんが、売ってしまうとメリットが減ってしまうので、極力売ることは避けなければなりません。
そのため、新たな積立でリバランスをすることが有効です。例えば上記の例であれば、2年目の積立する金額を株式10万円、債券30万円に変更すれば、もう1年後には、50万円ずつになるはずですね。
もちろん2年目に株式と債券が別々に動けば、このバランスも崩れている可能性が高いので、3年目の積立する金額をまた工夫する必要が出てきますね。
基本的にリバランスは、あまり頻繁にやっても良くないので、1年または3年ごとくらいにやれば十分だといわれています。
3年だと忘れてしまいそうなので、1年に1回と決めて行うのが一番分かりやすいですね。
つまり、つみたてNISAを一度積立ててしまえば、管理が必要な人でも1年に1回チェックするだけで十分なのです。そのチェックも、簡単な計算をして積立金額を変更すればいいだけです。だいたい10分もあれば十分です。
管理についてまとめ
つみたてNISA(積立NISA)などの積立投資は、管理が簡単なのが大きなメリットで、仕事や家事で忙しい人でも安心して行うことができます。
だからこそ、定期的な管理は大事なので、しっかり理解しましょう。
・複数の投資信託を組み合わせた人は、年に1回を目安にリバランスをしよう。
・リバランスは、投資信託を売却せずに積立額を調整して行おう。
・バランスファンドを選べば20年間何もすることなし。
つみたてNISAは20年間の長い旅になるので、バランスファンドで全てお任せしてしまうのか、自分で少し挑戦してみるのかは慎重に選んでください。つみたてNISAの特性上、売ってしまうのは勿体なので、ずっと保有できるような納得できる投資信託を選べるようにしましょう。
「バランスファンド→自分で組み合わせ」に変更することは簡単ですが、逆は難しいので、迷っているときはとりあえずバランスファンドを1つ選んで投資してみましょう。
参考記事…リバランスとは?
参考記事…バランスファンド比較