つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託の組み合わせによってリターンが決まるといっても過言ではありません。
一番簡単なのは、1つ選ぶだけでOKなバランスファンドを選択することですが、せっかく資産運用するんだから自分でいろいろ組み合わせたい人も多いはずです。
ここでは、より具体的な組み合わせ方について説明していきます。
つみたてNISAでは、株式への投資割合を多くすることが推奨されています。そのため、人によっては株式に投資する投資信託だけにするという選択肢もアリです。
なので、投資先を全て株式にすると仮定して、組み合わせ方を教えていきます。
①全世界株式インデックスだけを選ぶ
株式だけに投資するなら、あらかじめ世界中に分散された投資信託を選んでしまえば一番簡単です。
出典「金融庁」
金融庁が定めたインデックス型投資信託で認める指数の一覧表です。今回のケースだと、株式だけに投資することに決めているので、この中から組み合わせていくことになります。
青い枠には2つの指数が入っていますが、どちらも「世界中の株式の平均」に連動する指数なので、大きな違いはありません。
ちなみに現在、世界の株式の割合は次の通りになっています。
経済大国のアメリカが半分以上を占めています。日本は全体の10%ほどしかありません。
青い枠にあるどちらかに連動するインデックス型投資信託を買うということは、この割合で株を購入することと同じということです。
この割合で問題なければ、青い枠の指数に連動する投資信託を1つ買うだけで達成できます。
参考記事…全世界株式に連動する投資信託
②自分で組み合わせてみる
上記の国別割合で問題なければ1つの投資信託で問題ないですが、「もっと日本株の割合を増やしたい」「今後成長しそうな新興国株に多めに投資したい」という希望もあると思います。
その場合に、組み合わせていくことで自分の理想通りのポートフォリオを組むことができます。
出典「金融庁」
では今度は、青い全世界の枠を使わずに、日本株・先進国株・新興国株を組み合わせてみましょう。基本的に同じ色枠の中であれば、大体似た内容になっています。
まずは赤い枠の日本株からは、大企業から中小企業まですべて含まれているTOPIXに連動する投資信託を選びましょう。
先進国株式はたくさんあって迷ってしまいますね。ですが、つみたてNISAで先進国株式全体に投資できるのはMSCI World Index(日本除く)しか選ぶことができないので、これにしましょう。
最後に新興国からは、同じくFTSEの名前がついているMSCI Emerging Markets Indexを選んでみます。これは、新興国全体の株式に連動するインデックスです。
そして、これら3つの指数に連動するインデックス型投資信託を同じ割合で保有してみます。
このポートフォリオを組みたいならば、TOPIX、MSCI World Index(日本除く)、MSCI Emerging markets Indexに連動するインデックス型投資信託を1つずつ、計3つ選べば実現することができます。
どの投資信託がどの指数に連動するかはすぐに調べることができます。
青い枠のインデックスに比べて、日本株・先進国株の割合が高くなりましたね。もちろん長期間放置しておけばこのバランスはどんどん崩れていくので、リバランスをして調整しなければなりません。
1年に1回は積立する割合を変更して、3つが同じ金額になるように工夫しましょう。
この作業をリバランスといいます。(参考記事:リバランスとは?)
この割合はほんの一例なので、割合は自由に決めて大丈夫です。例えば、今後は中国やインドなどの新興国が成長すると思うなら、新興国株の割合を50%にするという戦略も考えられます。
ですが、あまりにバランスが極端だと、大きなリスクを負うことになります。
世界市場全体ではアメリカを含む先進国株で80%を占めているので、基本は先進国株をメインにして、日本株や新興国株ばかりに投資しないようにしましょう。
組み合わせ方まとめ
つみたてNISAでは、株式への投資が推奨されているので、投資先が株式だけという選択肢も大いに考えられます。20年間ずっと持ち続けられるなら、株式は一番リスクが低いうえにリターンが高いので、投資期間が長くとれる若い人はむしろ全部株式だけのほうがいいでしょう。
もちろん一時的に大きく下落することはありますが、20年間の投資が前提であれば、元本割れするリスクは債券よりも小さくなります。
もし株式100%のポートフォリオを許容できるなら、あとはどの地域にどれだけ投資するかを決めるだけになります。
・20年間投資できる人は株式だけでもいい
・世界全体の80%は先進国株
・世界全体のうち日本株は10%しかない
・特にこだわりがなければ全世界株1つでいい
・自分で組み合わせると面白い
世界全体では先進国株が大半を占めているので、日本株ばかりに投資することがないように注意してください。
参考記事…日本・先進国・新興国の割合について