つみたてNISA(積立NISA)では、自分で投資信託を選んで投資していくことになります。
特に株式に投資するタイプの投資信託では、大きく2つに分類できます。
・アクティブ型投資信託
・インデックス型投資信託
それぞれの特徴は、次のようになっています。
アクティブ投資の特徴
アクティブ投資とは、自分で儲かりそうな株を選んで投資する方法です。インデックス投資以外は全てアクティブ投資だと思ってください。
投資信託の場合は、自分で細かい投資先を選ぶわけではないので、運用先のファンドマネージャーが代わりに調査・分析して投資することになります。
そのため、運用先のファンドマネージャーの実力によって、リターンが大きく左右されることになります。また、企業を分析したりするので、運用先に払う信託報酬が高くなりがちです。
出典「価格.com」
運用の専門家たちが、投資先を分析して投資する方法です。一般的なイメージがアクティブ投資だと思います。うまくいけば大儲けだけど、損してしまう可能性もあります。分析作業に手間がかかるので、信託報酬は高くなりがちです。
投資信託のほとんどは、このアクティブ型投資信託に分類されます。
インデックス投資の特徴
インデックス投資とは、自分で儲かりそうな株を選ばない投資方法です。
簡単に言うと、「全て丸ごと買ってしまう」という大胆な戦略を取ります。
日本株の場合、日経平均株価という経済用語が有名です。これは、日本を代表する225社の株価の平均を表したものです。
過去10年間の日経平均株価の推移
過去10年間の日経平均株価の推移です。日経平均株価に含まれているトヨタ自動車、NTTなど日本を代表する株式会社225社の平均です。
この日経平均株価が上がっているときは、日本株全体が上昇している目安になります。このチャートは、日本株全体の上下を表しているともいえます。
日本株に投資するアクティブ型投資信託は、この日経平均株価よりも高いリターンを目指していることが多いです。平均に負けていては顧客が離れてしまいますからね。
ここで、こう考える人がいました。
「225社全部買ってしまえば、日経平均株価と同じリターンが得られるじゃん」
このような考えで生み出されたのが、インデックス投資です。インデックス投資は、株式市場の平均を追いかける投資方法なのです。単純な方法ですが、これが非常に長期投資では有効なのです。
なぜなら、すべての投資信託が日経平均株価以上のリターンを得ることはできないからです。225社の株は、日々せわしく売買されていますが、得する人がいれば損する人もいます。
しかし、インデックス投資ならば、225社の株を全部持っているので、何もやることはありません。そのため、株価が全体で上昇していればそのままリターンを得ることができるのです。
日経平均株価に連動するインデックス投資もたくさん販売されており、つみたてNISAでも採用されることになっています。
日経平均株価が上がれば、連動するインデックス投資信託も上がっていることになるので、非常にわかりやすいのが特徴です。日経平均株価はニュースでもよく発表されるので、身近で分かりやすいですね。
出典「価格.com」
自分の代わりに運用してもらうのは同じだけど、運用先のファンドマネージャーが分析したりする必要がないのが大きな特徴です。そのため、信託報酬も安めになっています。
日経平均株価に連動させるインデックス投資信託なら、決まった225社の株を買えばいいだけですからね。得するか損するかは、日経平均株価が上がるか下がるかで決まるので、ファンドマネージャーの実力もほぼ関係ありません。
アクティブ投資 VS インデックス投資
比較してみます。
アクティブ投資 | インデックス投資 | |
選び方 | 分析して選ぶ | 全体を丸ごと |
目標 | インデックスに勝つ | インデックスに連動する |
運用先の実力 | 大きく関係する | ほぼ関係ない |
年度ごとの成績 | 変動しやすい | 常に平均 |
信託報酬 | 高い | 安い |
全体的に、インデックス投資のほうが有利な条件になっています。
アクティブ投資の場合は、運用先の実力に大きく左右されるので、選び方が難しいです。また、運用先にしてみれば分析する分大変なので、信託報酬も高くなりがちです。これだけリスクをとっても、平均を超えることができるかは不明です。
それに対してインデックス投資は、基本的にやることはいつも同じなので、運用先にとっては楽チンです。その分信託報酬も安くすることができます。成績は常に平均なので、アクティブ投資よりも変動は緩やかになります。
インデックス投資は売買する回数も少ないので、かかるコストも安く済ますことができます。データでは、日本株に投資するアクティブ型投資信託のうち、過去10年間で7割がインデックス型投資信託の成績を超えることができなかったといわれています。
全てのアクティブ型投資信託が平均を超えることは不可能だし、税金や信託報酬が多くかかってしまったので、7割ものアクティブファンドが平均に負けてしまいました。
アメリカ株の場合は、過去10年間で85%のアクティブ型投資信託が平均を下回りました。
初心者はインデックス型投資信託!
アクティブ型かインデックス型かという選択肢は、つみたてNISA(積立NISA)では数少ない大きな分かれ道になります。
インデックス投資は、多くの著名投資家も推奨しており、過去のデータでもアクティブ型投資信託のほとんどは市場平均に勝つことはできませんでした。
インデックス投資をすれば、必ず市場平均(=アクティブ投資をしている人の平均)のリターンを得ることができるので、大きく勝つこともできませんが、大きく負けることもありません。
一番の理想は、市場平均を常に上回る優秀なアクティブ型投資信託を見つけることですが、これはプロでも難しく、大きな賭けになるでしょう。
初心者でもそうでなくても、基本はインデックス型投資信託を選ぶべきです。
参考記事…インデックス投資とは?