つみたてNISA(積立NISA)では、非課税で運用できる期間が20年間となっています。そのため、20年後が大きな一区切りになっています。
出典「金融庁」
毎年40万円投資すると、20年間で800万円分投資することができます。その後も40万円ずつ投資できますが、最初に投資していた40万円があふれてしまいます。
1年目に投資した40万円は、うまくいけば100万円になっているかもしれません。今までの歴史を考えれば、控えめに見積もっても十分あり得る計算です。
金額はどれくらいになるかは実際分かりませんが、21年目には最初に投資した40万円の運用が終了するのは間違いないので、その後の行方について説明していきます。
①売却して現金にする
一番わかりやすい選択肢です。20年間で運用が終わったので、売却して利益を確定させてしまう方法です。正しい投資信託を選んで20年間投資できれば、マイナスになる可能性は低いでしょう。利益が出たとしても引かれる税金は一切なく、そのまま儲けになります。
20年後に退職している人であれば、老後の生活資金にしてもいいですね。毎年少しずつ売ると、安い時にまとめて売ってしまうリスクを減らすこともできます。
②もう一度つみたてNISAの枠を使う
21年目にも新たに40万円投資することはできるので、その枠で再度投資してしまうという方法です。
しかし、ほとんどの場合、1年目に投資した40万円は大きな利益が出いているはずなので、40万円を超えた部分は再度投資することはできません。(儲かった部分は再度投資できないという贅沢な悩みです)
また、21年目以降は追加で投資資金を投入できなくなってしまうので、あまりオススメできません。
③課税口座で引き続き運用する
現在20代や30代の人は、20年後でもまだ現役で働いていると思います。なので、本当はもっと長く投資したいという人もいるはずです。つみたてNISAの期限が終了した部分は、何もしなければ自動的に課税口座(特定口座)に移管されることになります。
20年間の非課税期間が終わった後も気にせず運用を続けるという選択肢ですね。
④iDeCoに移し替えて運用する
管理人が考えるイチ押しの選択肢です。20年間の運用が終了した部分をいったん売却して現金化し、個人型確定拠出年金(iDeCo)に移し替えて運用する方法です。
つみたてNISAで扱っている商品または似ている商品であれば、確定拠出年金でも投資できるものがあるはずです。
確定拠出年金の年額上限
加入者 | 年額上限 |
自営業者・無職 | 816,000円 |
企業年金がない会社員 | 276,000円 |
企業年金がある会社員 | 144,000円 |
企業型DCがある会社員 | 240,000円 |
公務員 | 144,000円 |
専業主婦・主夫 | 276,000円 |
つみたてNISAの場合は一律で上限が毎年40万円までですが、確定拠出年金は立場によって上限が変わります。
特に自営業の人は年間80万円以上も投資することはなかなか難しいですから、すべての枠を使えない人も多いと思います。
つみたてNISAで運用が終わった後にiDeCoに引き継いで運用することができれば、20年以上にわたって非課税運用が可能になりますね。
20年後であればある程度他に貯金もできているでしょうから、確定拠出年金の60歳まで引き落とせないデメリットもカバーできると思います。
参考記事…確定拠出年金との違い
20年後にやるべきこと
つみたてNISA(積立NISA)は、運用中はあまりやることがありませんが、20年後を一区切りに大きな決断が待っています。とはいっても、立場に応じて正しい選択を選ぶのは難しくありません。
20年後は退職してる人
→非課税期間終了後に売却して現金化
まだ働いている現役世代の人
→確定拠出年金を併用してさらに長期間運用
確定拠出年金もフル活用してる人
→やむを得ず課税口座に移して運用
20年後に退職している人は、運用が終わった部分から売って少しずつ現金化していきましょう。まだ働いている人は、できるだけ長く運用できるように工夫しましょう。
どちらの場合でも、まとめて売ってしまうのはできるだけ避けるようにしましょう。
せっかく積立投資でリスクを減らしながら運用してきたのですから、売るときも少しずつ売却して「安い時にまとめて売ってしまった」という失敗がないようにしましょう。
参考記事…20年間も投資する理由