つみたてNISA(積立NISA)は、多数の投資信託の中から商品を選んでいくことになります。そのほとんどは特定の指数に連動するように設計されたインデックス型投資信託となっています。

インデックス型の場合、同じ指数に連動する商品であればほぼ同じ内容といって差し支えありません。したがって、金融機関に払う手数料、すなわち信託報酬隠れコストがほぼすべてです。

つみたてNISAに限りませんが、全く同じ指数に連動する商品が同一の運用会社から複数販売されている場合があります。特に珍しいケースでもなく、当たり前のように見ることができる光景です。

スーパーに例えれば、全く同じリンゴが同じ棚に並べられていて、違う値札が付いているようなものです。なぜこのような不思議な現象が発生するのでしょうか?

 

なんで複数の値段がついてしまうのか?

投資信託というのは不思議なもので、ほぼ同じ内容の商品に違う値段がついているということがまかり通っている業界です。

分かりやすいように、次の3つの商品を挙げてみます。(2019年10月1日現在)

ファンド名  信託報酬 総資産額
 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.10989% 578億円
 つみたて先進国株式 0.22% 63億円
 eMAXIS 先進国株式インデックス 0.66% 402億円

 

この3商品は、いずれもMSCIコクサイ(為替ヘッジなし)に連動する先進国株式ファンドです。

ほんのわずかな運用のブレを除けば、ほぼ同じ内容の商品です。

運用会社は全て「三菱UFJ国際投信㈱」となっていますが、信託報酬は3つとも違います。

まさに同じ商品を違う手数料で売っている状態です。

この中で最も早く登場したのはeMAXIS 先進国株式インデックスです。

その後、信託報酬を大幅に引き下げたeMAXIS Slim 先進国株式インデックスが登場し、それに続いてつみたてNISA専用ファンドとしてつみたて先進国株式が登場しています。

販売会社である三菱にとってみれば、もともとeMAXIS 先進国株式インデックスを保有している人からは毎年0.66%の手数料を取ることができるため、顧客が離さない限りは引き下げたくないという思惑があります。

しかし、低コスト商品として売り込むためには、信託報酬を下げなければなりません。そこで、全く別の新規ファンドとして販売することにより、既存顧客からもらえる手数料はそのままに、新たな商品を育てていくことができます。

また、三菱は非常に用意周到で、つみたてNISA専用で実店舗銀行向けの「つみたてんとうシリーズ」まで新発売しています。

身も蓋もない言い方をすれば、既存顧客と実店舗銀行向けとして割高な商品を設定して、超低コストなeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの活動資金としていることになります。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの信託報酬は年間0.10989%と破格の低水準であり、単体では赤字でもおかしくないくらいです。

この商品を維持するために、他の商品の信託報酬を割高に設定しているともいえます。

また、総資産額はバラバラですが、実はどれも三菱は全部一緒に運用してます。全部同じ指数なので、わざわざ複数に分けて株式を管理する必要もなく、3つともいっぺんにファンドマネージャーが運用しています。

つまり、同じケーキを同じ大きさで切り分けて、違う値段で販売しているようなものです。

かなり不公平ではありますが、このようなビジネスモデルにより低コスト商品が成り立っているのであれば、うまく利用していくしかありません。

これから投資する人は、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス以外を選ぶ理由はないということです。

今回は三菱の先進国株式ファンドで説明しましたが、他社でもよくある光景ですので、割高な商品を選ばないように気を付けましょう。

 

手数料まとめ

投資信託は中身が分かりづらい分、このような不公平で理不尽なシステムが平気で成り立ってしまいます。

割高な手数料を負担してくれる顧客がいるからこそ、割安な商品が販売できる状態になっています。

システムに騙されることなく、信託報酬最安値の物を選んで賢くつみたてNISAを活用していきましょう!

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