債券重視のバランスファンド比較
ここでは、たくさんあるバランスファンドのうち、債券比率が高めの投資信託を紹介していきます。
資産の内訳は微妙に違ってくるので、単純に信託報酬では比較できませんが、似たような投資信託を比較してきます。
債券はポートフォリオにおける守りの資産で、リスクを抑えるために用いられます。その一方、リターンはあまり期待できないので、投資金額の一部にとどめることが好ましいです。
当サイトとしては、単体で投資するのではなく、他と組み合わせるサポート役として利用してほしいジャンルになっています。
均等型を除く、債券比率が高い投資信託を紹介していきます。
概要(2019年10月1日現在)
現時点では、次の投資信託が該当します。
ファンド名 | 信託報酬 |
ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券) | 0.3102% |
東京海上・円資産インデックスバランスファンド | 0.418% |
ダイワ・ライフ・バランス30 | 0.198% |
DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型) | 0.154% |
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) | 0.154% |
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型) | 0.242% |
SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型) | 0.495% |
eMAXIS 最適化バランス(マイ ゴールキーパー) | 0.55% |
eMAXIS 最適化バランス(マイ ディフェンダー) | 0.55% |
たわらノーロード バランス(堅実型) | 0.242% |
たわらノーロード 最適化バランス(保守型) | 0.55% |
たわらノーロード 最適化バランス(安定型) | 0.55% |
Smart-i 8資産バランス 安定型 | 0.176% |
楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型) | 0.261% |
auスマート・ベーシック(安定) | 0.385% |
auスマート・ベーシック(安定成長) | 0.385% |
全て内訳が異なるので、単純に信託報酬で比較することはできません。とはいえ、大体似ている内容なので、信託報酬が低いものを中心に検討していったほうがいいでしょう。
それぞれ内容を確認していきましょう。
ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券)
投資内容の7割が日本債券になっており、特に安定運用となっています。バランスファンドというよりは、日本債券ファンドとして考え、守りの資産として一部組み込むと有効です。信託報酬も0.3102%と十分低いです。
東京海上・円資産インデックスバランスファンド
投資内容の7割が日本債券になっており、特に安定運用となっています。1つ上の「ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券)」とまったく同じ割合ですが、信託報酬が0.418%と高いのでオススメできません。
ダイワ・ライフ・バランス30
出典「大和投資信託」
半分以上が日本債券になっており、安定した運用になっています。信託報酬も0.198%と低く、総資産額も現時点で115億円もあるので安心できます。
DCニッセイワールドセレクトファンドシリーズ
債券比率が高いものは、安定型と債券重視型です。特に安定型については、信託報酬が0.1728%と非常に低く、守りの要として使えそうです。
債券重視型も信託報酬は0.198%と十分低くて優秀です。
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)
出典「三井住友アセットマネジメント」
マイパッケージ30は愛称です。株式が30%組み込まれているのが特徴です。その一方で外国債券は少なめなので、バランスがいいです。
信託報酬は0.242%になっていて、十分な低水準になっています。
SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)
出典「三井住友アセットマネジメント」
債券比率が75%になっています。大きな特徴として、先進国債券と外国債券の比率が非常に高いです。外国債券は為替リスクがあるので、変動幅は大きめです。
今回紹介する投資信託の多くは日本債券の割合が高いですが、この投資信託ではたった4.5%しかないです。そのため、この「SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)」については、別ジャンルの商品だと考えてください。
先進国債券や新興国債券の割合を増やしたい場合の調整役として活躍できそうです。信託報酬は0.486%とこの中では高めですが、投資内容が大きく違うので直接比較はできません。内容を踏まえれば十分低いです。
eMAXIS 最適化バランスシリーズ
出典「三菱UFJ国際投信」
マイゴールキーパーとマイディフェンダーが該当しました。他の物と比較すると、わずかですが新興国の株式や債券にも分散投資しているのが違いです。
信託報酬は0.55%で、そこそこ高めになっているのであまりオススメできません。
たわらノーロード バランス(堅実型)
出典「アセットマネジメントone」
全体の8割が債券となっており、安定運用となっています。最大の特徴は、全体の3分の1が先進国債券(為替ヘッジあり)になっているところです。
通常外国の債券は為替リスクが大きくなりますが、為替ヘッジがついているため、国内債券に近い安定した運用が可能となります。
信託報酬も0.242%と十分低いですが、特殊な商品なので要検討です。
たわらノーロード 最適化バランス(保守型・安定型)
保守型・安定型ともに債券の比率が高めになっており、先進国債券に為替ヘッジがついているのが大きな特徴です。
詳しくは個別の解説記事をご覧ください。
Smart-i 8資産バランス 安定型
全体の75%が債券になっています。また、先進国債券(為替ヘッジあり)が28.5%組み込まれているのが大きな特徴です。
詳しくは個別の解説記事をご覧ください。
楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視)
株式30%:債券70%を基本に、全世界の株式と債券に分散投資を行います。
各比率は時価総額に基づくので、全体の90%程度が海外への投資になります。
また、債券部分には為替ヘッジがついているのが最大の特徴で、競合商品と比べる際にはチェックしたいポイントになります。
auスマート・ベーシック(安定・安定成長)
出典「KDDIアセットマネジメント」
どちらも国内債券比率が多めになっています。信託報酬は0.385%と少し高めです。
債券重視のバランスファンド比較まとめ
複数の投資信託を紹介しましたが、「SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)」は外国債券比率が非常に高いため、別物として考えたほうがいいでしょう。
外国債券は為替リスクが大きい割にリターンは低めなので、保有する場合はごく一部にとどめたほうがいいでしょう。
その他外国債券の比率が高めの商品としては、「たわらノーロード バランス(堅実型)」と「楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)」もありますが、為替ヘッジありとなっているため、安定性は十分かと思います。
その他については、多少の差異はありますが、日本債券を中心とした安定運用になっているので、守りの資産としての活躍が期待できます。
単純に守りとして期待するだけなら、信託報酬が一番低くて日本債券の割合も高い「DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)」が第一候補になるでしょう。ただし、総資産額があまり増えていないので、要検討です。
いずれにせよリターンは期待できない投資信託なので、リターンが期待できるけどリスクが大きい投資信託と組み合わせて利用していきたい商品です。
参考記事…バランスファンド比較