つみたてNISA(積立NISA)は、2018年から金融庁の政策として導入されます。

証券会社が考えた仕組みではなく、金融庁が国民に投資をしてもらいたいからという理由で創られた制度です。

つみたてNISAでは、投資にかかる税金が一切かからないので、国としての税収は減ってしまうはずです。では、いったいなんでこの制度を広めたいのでしょうか?

順番に理由を説明していきます。

 

お金を有効活用して景気を良くしたいから

「カネは天下のまわりもの」ということわざを聞いたことがありますか?お金は一か所にとどまらず、人から人へどんどん動いていく様子を表したものです。

みんながお金を使わないと、お店の利益も減り、お店の従業員もお金を使えなくなってしまい、景気が悪化してしまいます。カネがまわっていかないと、経済も衰退してしまうのです。

しかし、現在の日本では、持っている財産の半分以上が現預金になっています。金融大国のアメリカでは、現預金の割合は15%にも満たないです。財産の多くを、株式や債券などの金融商品で保有しているのです。

株式や債券は、簡単に言えば国や企業にお金を預けているようなもので、銀行に預けるよりも積極的に経済活動に使うことができます。

なので、アメリカでは多くのカネが回り続けていますが、日本ではあまり回っていないのです。そのため、日本人が多く持っている現預金を、つみたてNISAで投資に回してもらうことで、景気を良くしていきたいのです。

景気が良くなれば日本企業が大きな利益を上げることができて、そこから生まれる税収も多くなります。

最終的には国民・日本企業・日本政府みんなが得をする制度を目指しているので、例え一時的に税収が減ったとしても、将来的には税収アップにつながると考えているのです。

 

少額でも投資ができることを伝えたいから

日本人は、投資はまとまった資金がないとできないと思っています。資産運用に興味を持っている人は多いですが、敷居の高さが仇となってなかなか普及しないのが現状です。

出典「金融庁」

投資をしない理由の第1位は、「まとまった資金がないから」です。ですが、つみたてNISAであれば、ごく少額から可能です。あまりに少額だと資産運用といえなくなってしまいますが、毎月10,000円くらいずつなら無視せずに続けられるのではないでしょうか?

また、商品が複雑であることや、取引できる時間がないという理由も挙げられています。しかし、つみたてNISAならば、選べる選択肢は限られていて、「厳選された優良商品」だけになっているので、簡単なコツを抑えればすぐに自分に合った投資信託を選ぶことができます。

積立も、引き落としで自動でできるので、一度設定すればあとは1年に1回見直しするくらいの手間で十分です。20年間という長期間を見据えた制度なので、頻繁に売買する必要はなく、むしろ頻繁に売買してはいけない商品ばかりです。

なので、投資信託で行う積立預金くらいの気持ちで考えてください。定期的に同じ金額を積み立てていく方法を「ドルコスト平均法」といい、まとめて一括で投資することに比べて大きなメリットがあることでも有名です。

まとまった資金ができてからよりも、少しずつ積み上げていくほうがリスクを抑えて投資ができるので、初心者ほど早めに投資を始めることが大事です。

 

海外から利益を得て日本で使ってほしいから

投資というと、日本企業の株や、日本国債を買ったりするイメージがあると思います。もちろん日本国内に投資をして経済を活性化することも大事ですが、これからは海外への投資も重要になっています。

つみたてNISAで選べる商品でも、日本以外に投資する商品が充実しています。海外に投資をすることで、海外企業が成長する恩恵を受けることができるので、将来大きなリターンを得ることができます。

経済大国であるアメリカや、今後の世界経済の中心になるといわれている中国やインドが成長していくことで、私たち日本人がその恩恵を受けることができるのです。

正直なところ、日本は少子高齢化が進んでおり、今後の経済成長はあまり期待できません。そのため、リスク分散の意味でも日本以外に投資して、海外の成長さえも自分の人生の糧にしていくことが大事です。

海外への投資でリターンを得ることができれば、それだけ私たちが将来使えるお金も増えるので、日本経済の活性化にもつながります。今後成長が期待できる海外に投資することは、日本の将来を支えることにもなるのです。

ただし、海外の情報はなかなか日本では得ることができないので、海外に投資をしている人はあまり多くありません。その点つみたてNISAであれば、分かりやすくパッケージ化しているので、投資もしやすいです。

例えばアメリカの場合、アップル社の株だけ単体ではなく、「アメリカ株全体」をセットにしたような感じです。

たった一つの商品で、世界中の株式や債券にまとめて投資できる投資信託もあるので、めんどくさがり屋な人はそれ1つだけに投資するという選択肢も全然アリです。持っている商品が一つでも、運用会社があなたの代わりにたくさんの投資先に分散してくれるのです。

このような投資信託は、「バランスファンド」と呼ばれます。細かい調整は全て運用先でやってくれるので、手間いらずです。その代わり、信託報酬という手数料が高めになることが多いです。

とはいえ、つみたてNISAでは手数料による基準が設けられているので、法外な手数料を取るボッタくり商品はありません。本当に定期積立気分で投資をしたいならバランスファンドはオススメです。商品と積立金額を決めればあとは何もする必要はありません。

 

広めたい理由のまとめ

つみたてNISA(積立NISA)を政府が広めたい理由をまとめると次の通りです。

 

・現預金を投資して金を回してほしい

・投資に対する敷居を低くしたい

・海外投資で間接的に日本経済も活性化

 

これらを達成したいので、つみたてNISAを通じて国民に投資をどんどんしてほしいのです。大きなデメリットはなく、運用にかかる税金が一切かからないつみたてNISAは、国民にとってもお得な制度ですから、利用しない手はありません。

ただし、あくまで「元本割れするかもしれない投資信託を自分の責任で選ぶ」ことになるので、ある程度の勉強は必要です。とはいっても、複雑な知識が必要なわけではありません。

知識というよりは、途中で投資信託が下落した時への心構えを鍛えるための勉強といえます。一番やってはいけないのは、下落した時にパニックになって売ってしまうことです。

長期投資では、下落して安くなっている時期こそ積立を続けられた人だけに大きなリターンをもたらすのです。長期投資の有効性を知って、下落した時でもどっしり構えられるような投資家になりましょう。

参考記事…国や金融機関は儲からない