つみたてNISA(積立NISA)では、年間40万円の枠を20年間使うことができます。しかし、なぜ20年間という長い期間が定められているのでしょうか?

 

長期投資をしてほしいから

そのため、40万円×20年=800万円まで投資することができることになります。これ以上に投資がしたい人は、確定拠出年金(iDECO)などを併用することが有効でしょう。

しかし、これはあくまで現時点の内容です。

出典「金融庁」

2018年に制度が開始するので、初年度に投資した40万円は、2038年で終了することになります。しかし、2039年にはまた40万円投資できるので、実際には20年以上にわたって投資できることになっています。

また、多くの投資家から期間を無期限にしてほしいという要望もあり、期間が延長される可能性も高いと思われます。特に現在20代の人であれば、20年後はまだ40代ですから、さらに長期間にわたって投資をすることができます。

 

じゃあどこから20年はでてきたの?

金融庁が20年間という区切りをつけたのは、大きな意味があります。投資をする人の最大の不安は、元本割れしないかどうかだと思います。つみたてNISAで対象となる投資信託は、株式や債券に投資するものがほとんどで、元本保証はされていません。なので、損をすることもあると思います。

しかし、歴史的には、株式も債券も右肩上がりで成長してきた歴史があります。なぜなら、これらへの投資はリスクを背負っているからです。株式の場合は会社の業績悪化、債券の場合は国や企業の倒産などです。

リスクとリターンは比例しているといわれるので、リスクを取った人ほど大きなリターンを得ることができるのです。

出典「金融庁」

これは、国内外の株式・債権に分散投資した時のリターンを表したグラフです。左側の保有期間5年では、プラスの時もマイナスの時も多くあります。全体でプラスが多いのは、長い期間で見れば株式や債券のリターンはプラスだったことを表しています。

右側の保有期間20年では、プラスもマイナスも平均化されて、全てプラスに収束しています。

もちろん20年間投資していれば絶対損しないというわけではありませんが、このグラフの調査期間である1985年以降は、日本のバブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショックなどの壊滅的な出来事を経験した上でのデータなので、これから投資した人だけマイナスになるとは考えにくいでしょう。

金融庁は、20年間が長期投資で最低限必要な期間だと考えたというわけです。もちろんまだまだ若い方は、20年以上投資できるので、さらに元本割れするリスクを減らすことができます。

長期投資のリスクは、投資期間の長さによって決まる。

と言い換えてもいいでしょう。不況と好況は繰り返されるので、投資期間が長いほどそのリターンは平均化されていきます。

投資家にとって、時間は大きな味方になるのです。上限が年間40万円と少なめなのも、まとめて投資するのではなく、少しずつ積み立ててリスクを減らしてほしいという金融庁からのメッセージともいえるのです。

 

でも結構みんな損してない?

理論上は20年間投資をしていれば、損することは稀です。しかし、日本では多くの投資家が損をしている現状があります。

理由は多く分けて2つあります。

1つ目は、「長期投資をしていないから」です。日本では、株式投資というと、画面とにらめっこしながら頻繁に売買するイメージがあります。もちろんこれも投資方法の1つではあるのですが、この方法では買う人、売る人しか存在していないので、必ずどちらかは得してどちらかは損することになります。そのため、全体的には損した人の悪いイメージがついているのです。

長期投資では、投資家同士争うことなく企業や国の成長を取り込むことができるので、多くの人が得する仕組みになっているのです。

2つ目は、「長期投資なのに途中で売ってしまう」からです。20年保有していればほぼプラスでも、裏を返せば途中でマイナスになる場面もあるということです。特にリーマンショックなどの大事件が起きたときには、株価が半額なんてこともよくありますから、パニックになって売ってしまうことがあります。しかし、下落しているときこそ積立を続けなければ、その後の景気回復の恩恵を受けることができなくなってしまいます。

つみたてNISAで選べるような長期投資向けの投資信託であれば、下落しても売る必要はなく、むしろ気にせず同じように積立していけばいいのです。安い時に買えれば一石二鳥です。

長期投資家の勉強する意味の9割くらいは、「元本割れしても売らない強いメンタル」を鍛えるためだと思っています(笑)

長期投資の有効性を正しく理解していれば、一時的に下落していてもヘッチャラなはずです。

 

20年間必要なまとめ

つみたてNINSA(積立NISA)が20年間を一区切りにしている理由をまとめると次の通りです。

 

・本当は20年といわず長期間投資してほしい

・だけど20年間あれば元本割れの可能性は低い

・まとめてではなく少しずつ投資してほしい

 

金融庁からのメッセージは、どれも長期投資で必要な考え方ばかりです。ただ鵜呑みにするだけではなく、自分で深く理解することで、長期投資を20年間続けられるメンタルを鍛えることが大事なのは言うまでもありません。

参考記事…元本割れしないの?