つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を選んで積立をしていきます。

投資信託を選ぶ基準としては、信託報酬が非常に重要です。信託報酬は、運用先に払う手数料のようなものです。

私たちが預けた資産のほとんどは株式や債券の投資資金になりますが、ほんの一部は信託報酬として運用先に取られてしまいます。

参考記事…信託報酬とは?

 

信託報酬のおさらいと補足

資産運用をしてもらうサービス料のようなものなので、安いに越したことはありません。また、購入手数料と違い、毎年かかるので、小さな差が20年では大きな差になります。

信託報酬は、基本的に3つの会社に払うことになります。

 

委託会社…実際に運用をする

販売会社…商品を販売する

受託会社…運用の指図をする

 

当サイトでは、基本的にすべて合わせたものを信託報酬として掲載しています。投資する側にとっては区別する意味はないので、大体理解していただければ十分です。

このように、1つの投資信託に複数の会社が携わっているので、万が一運用先が倒産したとしても、顧客が損をすることがないようになっています。

例えば、バランスファンドに「つみたて8資産均等バランス」という投資信託を例に中身を確認してみます。

8つの資産にまとめて投資できる商品で、信託報酬の合計は0.2376%と非常に低コストです。その内訳は次の通りです。

委託会社…0.108%

販売会社…0.108%

受託会社…0.0216%

全て合計するとちょうど0.2376%です。この投資信託を保有すると、間違いなく毎年投資している額の0.2376%が引かれていくということです。

これらを合わせて、実質的な信託報酬と呼ばれることが多いです。

ですが、ここで勘違いしてはいけないのが、実質的な信託報酬が実質的なコストではないということです。

 

隠れコストとは?

分かりやすく公表されているのは、あくまで会社側の儲け分だけです。実際は、運用をしていくうえでは小さなコストが発生します。

事務経費や売買時のロスなど様々な要因がありますが、信託報酬以外にかかる経費は確実にあります。

正式な用語ではありませんが、当サイトでは隠れコストと呼ぶことにしています。この隠れコストは、毎年変わるうえに、事前に予測することができません。

投資信託の内容にもよりますが、毎年0.1~0.3%くらい発生するのが基本です。

投資信託を保有することで実際にかかるコストは、信託報酬+隠れコストになるということですね。

隠れコストは事前に予想できませんが、少なくなりそうな投資信託を予想することはできます。次からは、隠れコストを決める要因について説明していきます。

 

ファンドの売買手数料

隠れコストは、頻繁に売買をする場合に多く発生する傾向があります。

インデックス型の場合、基本的には売買が少なくて済むので、あまり隠れコストがかかりません。

また、バランスファンドはファンド内でリバランス作業が必要なので、単体の指数に連動するものに比べれば多少高くなる傾向があります。

ただし、単体の指数であっても、時価総額以外を基準にしている場合は、コストが割高になる可能性があります。

具体的には、JPX日経400に連動するものや、連動する指数が特殊な「iFrees新興国株式インデックス」などです。

また、アテクィブ型の場合頻繁に売買を繰り返すことが多いので、隠れコストは高くなりがちです。元々の信託報酬も高めになっているので、合わせると結構な差になります。

 

総資産額の多さ

投資信託を選ぶうえで、信託報酬の次に大事なのが総資産額です。総資産額が多ければ、投資信託が繰上償還になってしまう可能性は低いです。

ですが、もう一つ大きなメリットがあります。それは、経費の節減と運用の安定性です。

投資信託は形ある商品ではないので、総資産額が2倍になっても必要なコストは2倍になりません。

総資産額が2倍になったからといってファンドマネージャーの人数を2倍にする必要はないし、設備も2倍にする必要はありません。

総資産額の規模が大きくなるほど、金額当たりの必要経費はだんだん下がっていきます。必要経費が下がれば、隠れコストも相対的に小さくなる可能性が高くなります。

また、総資産額が多くなるほど追加資金や中途解約による影響も小さくなるので、運用自体でも大きなメリットがあります。

信託報酬の次に総資産額が重要なのは、追加でかかる隠れコストが小さくなる可能性が高いからというのが大きな理由です。

 

隠れコストまとめ

つみたてNISA(積立NISA)では、インデックス型の商品が中心です。インデックス型であれば、信託報酬でほぼ優劣が決まります。

ですが、厳密には信託報酬だけではなく、追加でかかる隠れコストも気にする必要があります。

ですが、当サイトではあまり気にする必要はないと考えています。当サイトで推奨するインデックス中心の運用であれば、大幅な隠れコストが発生する可能性は低いからです。

低いといっても0.1%~0.3%くらいはあるので、長期投資では無視できない大きさではありますが、事前に予測できないので、あまり神経質になるのも良くないと思います。

毎年の報告書を見て計算すれば隠れコストはすぐに求められますが、最近販売されたばかりの商品では過去の実績を調べることは不可能です。

また、隠れコストは毎年変動するので、公平に比較することが難しいです。隠れコストは参考程度にチェックすれば十分かと思います。

総資産額も大きさも隠れコストに大きな影響を与えますが、つみたてNISA対象の商品は最近設定されたばかりの物が多く、ほとんど総資産額がないものも多いです。

逆に言えば、今後は信託報酬が安いものからどんどん総資産額が増えていくはずなので、現在の総資産額や隠れコストはあまり参考になりません。

つみたてNISA対象商品では、総資産額が多いけど信託報酬が高い旧商品、総資産額が少ないけど信託報酬が低い新商品の2極化が発生しています。

ですが、信託報酬の差を埋めるほど隠れコストに差が出ることは考えにくいですから、素直に信託報酬で判断して問題ないでしょう。

元々の信託報酬が高い旧商品を選ばないように注意しましょう。

参考記事…アクティブとインデックス