投資先を理解すること

つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を積立していくことで資産運用ができます。

ですが、投資信託とは、自分がお金を預けて運用してもらう仕組みです。そして、運用先で発生した利益や損失を全て引き受けることになります。

運用先は、預かったお金を株式や債券などに分散投資しています。つまり、投資信託を保有するということは、間接的に株式や債券などにまとめて投資していることに等しいことになります。

自分が積立していく投資信託が、実際は何に投資しているかは、必ず把握していなければなりません。投資信託を持っているというイメージではなく、株式や債券に投資しているんだという感覚を常に持っていなければなりません。

ここでは、投資信託を通じて間接的に投資できる全世界株式について解説していきます。特筆がなければ、全世界株式インデックス投資についての説明です。

 

全世界株式とは?

つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を通じて間接的に全世界株式に投資できます。

全世界株式という言葉自体はあまり一般的ではないですが、世界全体の株式をまとめた総称になります。日本を含む場合と含まない場合があるので注意が必要です。

現在、世界全体の株式市場のシェアは次の通りです。

一目でわかるとおり、アメリカの割合が圧倒的に多いです。アメリカは最も資本主義が発達しており、世界の経済や金融の中心です。

全世界株式に投資をすると、半分以上は米国株になります。先進国(日米除く)の部分は、大半がヨーロッパ地域になります。

全世界株式といっても、半分はアメリカ、残りの多くもヨーロッパということになりますね。つみたてNISAでは、日本を含むものと日本を除くもの両方存在しているので、選ぶときは注意しましょう。

日本株式の割合が全体の10%くらいで問題ない人は日本を含んだものを選べば、それだけで株式投資は問題ないということになります。

ちなみに2017年1月時点での時価総額世界ランキングトップ10は次の通りです。

順位 会社名 事業内容 本社 時価総額
1位 アップル IT機器 米国 約70兆円
2位 グーグル ITサービス 米国 約62兆円
3位 マイクロソフト ITサービス 米国 約53兆円
4位 バークシャー 保険・金融 米国 約44兆円
5位 アマゾン ネット通販 米国 約43兆円
6位 フェイスブック SNS 米国 約42兆円
7位 エクソンモービル 石油 米国 約40兆円
8位 ジョンソン&ジョンソン 医療 米国 約35兆円
9位 JPモルガン・チェース 銀行 米国 約34兆円
10位 ウェルズ・ファーゴ 銀行 米国 約32兆円

※会社名、業種は管理人が分かりやすいように一部工夫しています。ご了承ください。

つみたてNISAでは、インデックス型のほぼすべてが時価総額基準で割合が決められています。時価総額は、株価×発行株式数で求めることができる、いわば会社の値段です。

世界で最も時価総額が大きいのは、iPhoneで有名なアップル社です。時価総額は約70兆円なので、70兆円出せば理論上は買収することができます。

世界全体で見ても、米国企業の規模は圧倒的で、上位10社を独占しています。12位でやっと韓国のサムスン電子が登場し、日本企業が登場するのは29位のトヨタ自動車が最初です。

世界規模で分散投資をすると、必然とアメリカが中心になってしまいます。経済の規模に合わせて割合を決めることで世界経済全体の成長の恩恵を受けることができます。

仮にアメリカが今後衰退することがあっても、他の国の時価総額が増えることで、投資先の内訳はどんどん変化していきます。

特定の国や地域に投資せず、全体にまんべんなく投資することが大事です。全世界株式インデックスを保有すれば、難しいことをしなくても世界分散投資を行うことができます。

 

全世界株式の特徴

全世界株式は、時価総額という最もインデックス投資に忠実な方法で、世界全体の株式に投資できます。そういった意味では、インデックス投資の究極ともいえる内容で、多くの経済学者が推奨する内容です。

税金や手数料も安く済むので、頻繁に売買する人よりも長期投資では圧倒的に有利です。

世界中の株式市場の平均を得ることができるので、世界中の投資家のうち半分以上は全世界株式インデックスに勝つことができません。

同じ投資信託を積立するだけで上位半分以上になれるのですから、後は投資を始める勇気とどんな時でも積立を続ける忍耐力だけが必要です。

他の資産と比べた場合の特徴を紹介します。

 

為替リスクがある

これは全世界株式に限りませんが、株式投資を通じてアメリカのドルやヨーロッパのユーロなどの通貨を保有することになります。

それぞれの通貨に対して円高が進めば、投資信託の評価額はどんどん下がっていきます。ですが、日本政府の借金を返済するためには緩やかなインフレは必須で、今後一方的に円高が進んでいくとは考えにくいです。

万が一円高が進んでいくとしても、日本より海外の経済成長が進んでいくことを意味するので、株価の上昇で十分カバーできるはずです。

為替リスクがあるということは、裏を返せば円以外の通貨に分散投資できるという意味でもあります。円の価値がどんどん下がって円安になっていけば、投資信託の評価額はどんどん上がっていきます。

全世界株式であれば、基軸通貨であるドルから新興国の通貨まで幅広く分散でき、特定の地域による影響も抑えることができるので、為替リスクがあるのは決してデメリットだけではありません。

 

株価変動が緩やか

青い線は全世界株式(日本含む)、ピンクの栓は日本株式(TOPIX)を表しています。過去10年では、日本株式は大きく負けています。

また、変動幅も日本のほうが大きい場面が多いです。日本だけの投資と比べて、他地域もまとめている全世界株式が緩やかなのはある意味当然です。

投資には、「卵は1つのかごに盛るな」という格言があります。1つのかごにだけ卵を入れておくと、何かが起きたときまとめて割れてしまうけど、複数のかごに分けておけばどれか1つがダメになっても大丈夫という意味です。

少なくとも過去10年では、日本株式にだけ投資した人は大きく失敗してしまいました。全世界株式であれば、アメリカ・ヨーロッパ・新興国など幅広く分散しているので、大幅上昇することもありませんが、大幅下落する可能性も低いです。

徹底した分散がされているのが大きな魅力です。

 

常に世界全体の平均

上記でも一度お伝えしましたが、つみたてNISAで投資できる全世界株式は、全て時価総額を基準にしています。インデックス投資とは、全ての株式に投資をすることで平均点を目指す投資方法のことです。

ですが、個人でやろうと思った場合、何百何千という株式を管理しなければならないし、莫大な投資金額が必要なので、事実上は不可能です。

また、投資信託を通じてインデックス投資をしようとしても、信託報酬が高いものばかりでした。しかし、現在ではかなり低コストで投資できる商品も多く発売されています。

全世界株式インデックスであれば、世界中の株式市場に上場している株式を丸々保有するので、世界全体の平均点を取ることができていしまいます。

株価が動いても売買をすることはなく、ひたすら持っているだけで、多くの投資家の成績を上回ることができます。

日本に存在するアクティブ型投資信託のうち7割が長期では市場平均に負けているというデータがあります。アメリカでは、過去10年間のうち85%が負けているというデータもあります。

全ての投資家やファンドが平均を超えることは不可能なので、今後もインデックス投資は有効なはずです。世界経済が全体で成長していくなら、全体の平均点を狙いに行くのは自然な発想です。

下手に工夫をするよりも、全世界株式インデックスを持っているだけのほうが良い成績を得ることができます。

全世界株式インデックスへの投資は、究極のインデックス投資ともいえる内容になっています。

 

日本では投資できる商品が少ない

日本では、今まで日本株式や先進国株式に連動するインデックス型投資信託が人気で、全体にまとめて投資できる商品は非常に少ないです。

以下の3つが主力な商品になっています。

・日本株式
先進国株式(日本除く)
・新興国株式

特に先進国株式インデックスの人気が高く、つみたてNISAでも種類が豊富です。それと他2つを自分で組み合わせるのが一般的でした。

ですが、最近では日本や新興国にもまとめて投資できるタイプの商品が登場しています。まだまだ数は少ないですが、信託報酬が十分低い商品も発表されています。

何よりもインデックス型投資信託であれば、似たようなものを複数持つメリットはないので、選択肢が少ないのはデメリットではありません。

書籍やネットでは先進国株式インデックスについて考察されていることが多いですが、全世界株式が決して不利な訳ではないので安心してください。

 

全世界株式まとめ

全世界株式の特徴をまとめると、次の通りです。

 

アメリカ株が半分以上
→世界情勢をそのまま表す

為替リスクがある
→世界中の通貨に分散できるメリットにもなる

株価変動が緩やか
→究極の分散投資

常に世界全体の平均
→究極のインデックス投資

投資商品が少ない
→1つだけで十分だから関係ない

 

長期投資では、分散と積立が何よりも大切です。分散という意味では、これ以上にはない選択肢になります。インデックス投資においては、自分で選ばないことが大切です。各国の割合も株式市場に委ねてしまうので、インデックス投資に最も忠実な投資先だともいえます。

株式と債券の割合についても様々な意見がありますが、株式への投資は長期間で考えるとリスクが小さくリターンが高いという結果が出ています。

過去の実績から考えれば、全世界株式インデックスだけに投資するという方法が最も安全で期待値も高いです。

分散さえできていれば投資信託の本数は少なければ少ないほどいいので、全世界株式インデックスは当サイトでもオススメの投資先になります。

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全世界株式インデックス指数