投資先を理解すること

つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を積立していくことで資産運用ができます。

ですが、投資信託とは、自分がお金を預けて運用してもらう仕組みです。そして、運用先で発生した利益や損失を全て引き受けることになります。

運用先は、預かったお金を株式や債券などに分散投資しています。つまり、投資信託を保有するということは、間接的に株式や債券などにまとめて投資していることに等しいことになります。

自分が積立していく投資信託が、実際は何に投資しているかは、必ず把握していなければなりません。投資信託を持っているというイメージではなく、株式や債券に投資しているんだという感覚を常に持っていなければなりません。

ここでは、投資信託を通じて間接的に投資できる新興国株式について解説していきます。特筆がなければ、新興国株式インデックス投資についての説明です。

 

新興国株式とは?

つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を通じて間接的に新興国株式に投資できます。

新興国とは、中国・インドなどの成長が著しい国のことを指しています。対になる言葉は先進国です。特に中国は、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国ですが、政治情勢が不安定だったり、株式市場の整備が不十分になっているため、新興国に分類されています。

新興国を表す言葉としては、「BRICS(ブリックス)」という言葉が有名です。それぞれ次の国の頭文字をとっています。

B…ブラジル
R…ロシア
I…インド
C…中国
S…南アフリカ

なんとなく新興国のイメージが掴むことができますね。これらの5つの国は新興国の株式市場でも大きな割合を占めています。その他にも多数の国が組み込まれています。

新興国の株式市場シェアは次の通りです。

 

このような割合になっています。中国と台湾で半分近くを占めています。指数を決める会社によって韓国が含まれる場合があり、その場合は中国に次ぐ割合になります。

ですが、つみたてNISAで投資できる新興国株式インデックスはほとんどが「MSCI Emerging Markets Index」rへ連動する投資信託になっています。この指数では、韓国は先進国扱いになっているので新興国には含まれません。

つみたてNISAで投資できる新興国株式インデックスでは、韓国は含まれていないと考えていいでしょう。

新興国は、今後世界経済をけん引していくという予想もあり、成長を続けています。

特に中国やインドは、今後アメリカを超えて世界一の経済大国になる可能性も秘めています。国の経済力を図る指数としては、GDP(国内総生産)があります。

ある国の中でどれだけの財やサービスが生み出されたかというもので、日本は世界第3位です。このGDPで考えると、現時点で世界全体の4割近くが新興国を占めています。

ですが、株式市場シェアでは、新興国のシェアは10%ほどしかありません。なぜかというと、株式市場の大きさは、自由に売買される株式の金額で表されるからです。

新興国の場合、国営企業が多かったり、上場企業でも、多くの株式は政府や創業者で保有していて、残りの一部だけを流通させるということが多いです。

市場で投資家たちが自由に売買できる株式を浮動株式といい、この割合をもとに計算すると新興国は10%しかないということになります。

そのため、つみたてNISAで選べる全世界株式では、新興国は約10%しか含まれていません。その一方、世界一自由な株式市場であるアメリカの割合は半分以上を占めています。

株式市場の大きさで考えるか、新興国の経済力で考えるかによって、投資割合が大きく変わってくるジャンルになっています。

新興国株式への投資割合は、投資家によって非常に差が出やすい部分なので、しっかり理解していきましょう。

 

新興国株式の特徴

新興国株式は、リスクも大きいがリターンも期待できる難しい資産です。そのため、まったく投資しない人から投資金額の半分を当てる人まで多くの投資家で意見が分かれる部分です。

他の資産と比べた特徴について説明していきます。

 

為替リスクが大きい

日本株式を含め株式投資では、少なからず為替リスクが発生します。新興国株式の場合、特にそのリスクは大きいです。

新興国株式で採用されている国の通貨は、中国の元、インドのルピーなどがあります。先進国の多くは、変動相場制といって、基軸通貨であるドルとの交換比率が固定されていません。円が欲しい人、ドルが欲しい人の需要と供給で自然に金額が決まります。

新興国で輸出産業が盛んな国では、自国の通貨が高くなりすぎると、企業にとって悪影響なので、不利にならないように固定相場制を実施している国が多いです。

また、変動相場制であっても、政府による介入により、意図的に操作されていることも多いです。

新興国ではインフレ率も高く、株価が上昇していても円に換算すると下落していたなんてこともよくあります。為替リスクを必要以上に避ける必要はないですが、為替相場自体が未発達な新興国の場合、特に変動リスクが高い点には注意です。

その一方、多くの国は輸出に有利になるように通貨安に誘導しています。ですが、今後これらの企業が成長し新興国の仲間入りをするときは、通貨安への意図的な誘導は許されません。新興国通貨の多くが通貨安になっているということは、将来は通貨安が解消され、円建てでは大きな為替差益を得ることができるかもしれません。

新興国株式では、企業成長による株価上昇だけでなく、新興国通貨が上がることによる為替差益も狙っていくことができます。

 

急成長の土壌がある

先進国の多くは少子高齢化が進んでいて、経済が停滞しています。ですが、新興国では、出生率が高く、労働人口も非常に多いです。

中国の人口増加は政府の対策により緩やかになっていますが、それでも圧倒的な労働力を生かして「世界の工場」として活躍しています。

インドは現在も爆発的な人口増加をしており、注目を浴びています。あまりイメージはありませんが、インドはIT企業が多く、優秀な技術者が多くいます。

日本がかつて新興国から先進国に仲間入りしたように、今後はこれらの新興国が同じ道を歩む可能性が高いです。日本はバブル崩壊がありましたが、それを踏まえても世界的に見れば大きな成長を遂げた国です。

日本に投資していたアメリカ人は、株価上昇と円高により、大きな利益を手にしました。

今度は私たち日本人がこれらの国に投資して、利益を得る時だといえます。もちろん政治的な不安も多いし、世界的な不景気では大きく落ち込みます。

ですが、つみたてNISAでは20年という遠い将来を見据えて投資をしていきます。20年後に新興国がどうなっているかを予想してみれば、新興国への投資が報われる可能性は高いと思います。

 

最近の成績はイマイチ

 

直近10年の成績を見てみると、リーマンショック前の価格を超えられていません。先進国株式や日本株式は大きく回復しているのに対し、新興国株式は停滞しています。

リーマンショック前は非常に好調でしたが、その後はあまりリターンが良くありません。新興国株式は、景気が良い時は多くの投資家が注目するので上昇しやすいですが、不景気やバブル崩壊があった場合、いち早く投資家が売却を始めるので、大きく下落しやすいです。

新興国株式は市場が小さく、企業に対する信頼もまだ高いとはいえません。何か大きな事件があったときには真っ先に下落してしまう不安定な資産だといえます。

最近では、日本株式や米国株式が好調なこともあり、新興国株式はあまり注目されていません。ですが、長期投資では、安くなっているときに買うのが最も理想であり、20年後には全く違う景色になっているかもしれません。

リスクが高いため過度に投資するのは危険ですが、まったく投資しないというのもあまり良くないでしょう。

 

信託報酬が高め

新興国株式は市場が小さく、手続きの手間や手数料が多くかかります。そのため、日本ではこれまで目を疑うようなボッタくり商品が多く売られていたジャンルでもあります。

ですが、つみたてNISAで選ぶことができるものはどれも低コストで安心できます。

とはいえ、現在最も安いものでも「<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド」の0.36612%になっています。十分低コストですが、全世界株式や先進国株式ならば0.2%程度の物もあるので、少し割高です。

信託報酬以外の隠れコストも多くなりがちです。

リターンに対する影響はわずかですが、他の資産よりも信託報酬が高めであることは把握しておきましょう。

 

新興国株式まとめ

米国株式の特徴をまとめると次の通りです。

 

投資割合が難しい
→時価総額では10%、GDPでは40%を占める

為替リスクが大きい
→新興国通貨は特に注意

急成長の土壌がある
→経済成長はほぼ確実

最近のリターンはイマイチ
→割安な投資チャンスともいえる

信託報酬が高め
→あまり気にする必要はない

 

新興国株式は、イメージの通りリスクが非常に大きいです。その反面、今後は大きな経済成長が見込めます。リーマンショック後の成績は非常に悪く、先進国株式に大きな後れを取っています。その反面、経済が好調な米国株式は割高になっているという指摘もあります。

新興国株式は現在あまり注目されておらず、むしろ割安に積立できるチャンスだと考えることができます。投資期間を長くとることができてリスクも許容できる投資家であれば、積極的に投資していきたいです。

インデックス投資を忠実に行うのであれば、株式に投資する部分の10%程度を充てれば十分です。ですが、実際の経済力を表すGDPで考えると全体の40%も占めています。

当サイトでは、新興国株式への投資を全体の10%~30%程度は充てるべきだと考えています。

指数ごとの特徴について知りたい方は以下の青文字をクリック!

新興国株式インデックス指数