投資先を理解すること

つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を積立していくことで資産運用ができます。

ですが、投資信託とは、自分がお金を預けて運用してもらう仕組みです。そして、運用先で発生した利益や損失を全て引き受けることになります。

運用先は、預かったお金を株式や債券などに分散投資しています。つまり、投資信託を保有するということは、間接的に株式や債券などにまとめて投資していることに等しいことになります。

自分が積立していく投資信託が、実際は何に投資しているかは、必ず把握していなければなりません。投資信託を持っているというイメージではなく、株式や債券に投資しているんだという感覚を常に持っていなければなりません。

ここでは、投資信託を通じて間接的に投資できる米国株式について解説していきます。特筆がなければ、米国株式インデックス投資についての説明です。

 

米国株式とは?

つみたてNISA(積立NISA)では、投資信託を通じて間接的に米国株式に投資できます。

米国株式とは、文字通り米国企業の株式の総称です。つみたてNISAでは、日本と米国だけ個別に投資することが可能になっています。

つみたてNISAは日本の制度なので日本は当然ですが、米国も認められているのは一般の人から見れば不思議かもしれません。

ですが、株式市場の勢力図を見ればその考えは一新します。

世界全体のうち、半分以上がアメリカになっています。アメリカは確かに経済大国ですが、半分以上も占めているのは少し不思議です。

なぜこのような割合になるかというと、アメリカでは株式の多くが市場で売買できるからです。このグラフには、上場していない企業の株式や、上場していても創業者や政府が持っている株式は含まれていません。

市場で自由に売買できる株式を浮動株といい、浮動株だけで計算しているのが上記のグラフです。

創業者や政府が持っている株式は市場で売買されることはあまりなので、計算に含まれなくなっています。イメージの通り、アメリカは民営化が進んでいて経済全体に対する上場企業の割合が高いです。

逆に新興国などは、国営企業が多かったり、上場企業でも投資家が自由に売買できない仕組みがあるため、割合は低くなります。

アメリカの経済力だけではなく、米国株式市場の流動性によってこのような高い割合になっています。

ちなみに2017年1月時点での時価総額世界ランキングトップ10は次の通りです。

順位 会社名 事業内容 本社 時価総額
1位 アップル IT機器 米国 約70兆円
2位 グーグル ITサービス 米国 約62兆円
3位 マイクロソフト ITサービス 米国 約53兆円
4位 バークシャー 保険・金融 米国 約44兆円
5位 アマゾン ネット通販 米国 約43兆円
6位 フェイスブック SNS 米国 約42兆円
7位 エクソンモービル 石油 米国 約40兆円
8位 ジョンソン&ジョンソン 医療 米国 約35兆円
9位 JPモルガン・チェース 銀行 米国 約34兆円
10位 ウェルズ・ファーゴ 銀行 米国 約32兆円

※会社名、業種は管理人が分かりやすいように一部工夫しています。ご了承ください。

これは米国内でなく、全世界でのランキングです。直近では中国企業もランクインしているようですが、それを踏まえてもアメリカ企業の規模は圧倒的です。

これだけ市場が大きいので、米国だけ単独での投資が認められているのです。

 

米国株式の特徴

日本を除けば唯一単体で投資できる国ですが、つみたてNISAではまだ商品が少ないです。米国は資本主義の中心で、上場している企業も桁違いです。

他の資産と比べた特徴について説明していきます。

 

為替リスクがある

米国株式なので、間接的に米ドルで投資することになります。米ドルは世界の基軸通貨であり、世界で流通する通貨のうち半分以上が米ドルです。

最近では、ユーロや元などに押され気味ですが、それでも世界通貨としての立場は全く揺らいでいません。普段日常で使っている円高や円安も、多くは米ドルと比較して使われていることがほとんどです。

他の資産であれば、複数の通貨に分散投資できますが、米国株式の場合はドルだけなので、為替リスクは大きめになります。

ですが、為替リスクはどの通貨で投資しているかよりも、投資先がどの通貨を使っているかで決まります。米国企業のうち、売り上げの半分以上は海外になっています。

米国企業に投資をすることで、半分はドル、半分はそれ以外の通貨で利益を得ることができるということになります。そのため、米国株式だから特別為替リスクが大きいとはいえません。

 

優良企業の宝庫

米国企業の特徴は、徹底した利益追求がされていることです。経営陣も成果が出なければすぐクビになるし、日本と違って従業員も簡単にリストラされます。

黒字事業であっても、利益率が低ければすぐに捨ててしまいます。また、得た利益を無駄遣いすることなく、企業の成長に使ったり、配当金として株主に還元します。

日本では「会社は株主の物」という意識があまりないですが、本来の資本主義では、企業は株主のために存在する組織です。その徹底が世界一されているのが米国企業という訳です。

また、全体的に利益率の高い企業が多く、安定した事業を行う企業が多いです。上記では、ウィンドウズやエクセル・ワードで有名なマイクロソフトなどがその代表例です。

その一方で、新しいビジネスで事業を急成長させる企業も多く、ネット通販のアマゾンやフェイスブックなどが代表例です。

株式を買うということは、企業の一部を保有することになります。長期投資では、安定して利益を出せる企業や、今後利益が急成長する企業が向いています。

そういった意味では、米国市場全体が長期投資に向いているともいえます。

 

圧倒的なリターン

 

青い線は全世界株式の平均、ピンクの線はアメリカで最も有名なS&P500指数です。日本でいうTOPIXのようなもので、米国市場を表しています。

似たような動きをしているのは、全世界株式のうち半分は米国だからです。

過去10年間では、圧倒的なリターンになっています。2009年にはアメリカでリーマンショックが起きましたが、数年で回復しています。

米国企業の力強さや、米国政府の迅速な経済政策により、いち早く回復しています。歴史的にも、米国株式はリターンが高かったというデータもあります。

歴史的にみて、最も力強く右肩上がりだったのが米国市場だったといえます。

 

投資信託が少ない

2017年10月13日現在、つみたてNISAで米国株式インデックスに投資できる商品はたったの3つしかありません。

そのうち2つがつい最近発売したばかりです。ですが、どちらも多くの投資家から注目されています。

最近では米国株式に注目が集まっており、ちょっとしたブームになっています。2つとも信託報酬は低水準で、多くの人が評価しています。

 

米国株式まとめ

米国株式の特徴をまとめると次の通りです。

 

世界の半分は米国株
→世界で最も信用できる市場

為替リスクがある
→ドルに投資できるメリットにもなる

株主利益が第一
→しっかり儲けてしっかり還元

圧倒的なリターン
→優良企業+政府の経済政策

投資商品が少ない
→少数精鋭の品ぞろえ

 

米国は世界一の経済大国でもあり、世界一株式市場が発達している国でもあります。過去のリターンも申し分なく、米国で起きたリーマンショックが起きた後も他の国を圧倒する上昇を見せています。

しかし、先進国株式のうち6割、全世界株式のうちでも5割は米国になっているので、さらに米国株式に投資すると、ほとんどが米国になってしまいます。

米国は確かに経済大国ですが、今後は中国やインドの台頭も予想されています。もちろんこのまま米国がトップを走る可能性もありますが、未来は誰にもわかりません。

先進国株式や全世界株式に十分含まれているので、米国株式だけ別で投資する必要性は低いと思います。

米国株式の割合を増やしたいときに、サポートとして利用するのがいいでしょう。

参考記事…米国株式に連動する投資信託