つみたてNISA(積立NISA)と似た制度に、「確定拠出年金」があります。

個人型と企業型があり、個人型はイデコ(iDECO)とも呼ばれますね。

どちらも長期で資産運用をしたいときに大きなメリットがある制度です。しかし、特徴に大きな違いがあるので、人によってはどちらかだけで十分な場合もあります。

併用することもできるので、ガッチリ資産運用をしたい人は両方フル活用してしまうのもOKです。

しかし、いきなり2つの制度を始めてしまうと、混乱してしまうと思います。

このサイトでは、2つで迷ったときには、つみたてNISAを選ぶべきだと考えています。

その理由を、これから説明していきます。

 

確定拠出年金との比較

2つをグラフで比較してみます。

結構違いが多いので、順を追って説明していきますね。

 

投資期間の違い

つみたてNISAの場合、運用できる期間は一律20年間です。ですが、今後も伸びる可能性があります。

確定拠出年金の場合、20歳~60歳までと年齢で決められています。なので、若いうちに始めるほど大きなメリットがあるといえます。

どちらも十分な期間運用することができるので、大きな差はないでしょう。

 

投資可能金額の違い

つみたてNISAでは、投資できる上限は年額40万円と決まっています。

確定拠出年金の場合は、加入者の立場によって上限金額が決まっています。

どちらも基本は毎月自動積み立てですが、途中で金額を変えたり一旦中止したりするのは自由にできます。

加入者 年額上限
自営業者・無職 816,000円
企業年金がない会社員 276,000円
企業年金がある会社員 144,000円
企業型DCがある会社員 240,000円
公務員 144,000円
専業主婦・主夫 276,000円

 

厳密に言えば、月額で定められています。例えば公務員の場合は、月額上限12,000円×12ヶ月で144,000円です。

かなり細かい分類がありますね。サラリーマンの場合でも、14.4万~27.6万円と結構違ってくるので、自分の勤め先で確認してみてもいいかもしれません。

全体的なルールとしては、将来の年金を多くもらえる立場の人が上限が少なく、自営業などの年金があまり多くならない立場の人の上限が多くなっています。

もともと確定拠出年金は将来の年金を自分で作る制度として始まったので、より必要と思われる人ほど上限が高くなっています。

 

投資できる商品

それぞれ投資できる内容は似ていますが、特徴があるので説明していきます。

確定拠出年金
投資できるのは全て投資信託のみで、運用している証券会社ごとに違うラインナップになっています。比較的証券会社が自由に決めることができます。しかし、選べる商品が増えすぎると分かりづらいということで、金融庁が本数制限を定めようと検討しているところです。

つみたてNISA
投資できるのは投資信託・ETFです。金融庁による厳しい条件があるので、現在販売されている投資信託の数%しか認められない予定です。まだ制度が始まっていないので詳細は不明ですが、基本的には優良商品だけのラインナップになると思われます。

 

確定拠出年金も普通に資産運用するよりは分かりやすいですが、初めての人には少し難しいと思います。また、運用管理を行う証券会社によっては、粗悪な商品が混じっていることも多いです。

管理人は「住信SBIネット証券」という証券会社で確定拠出年金を運用しています。ネット証券最大手で、サービスが良いことで有名です。ラインナップもかなりセンスがいいのですが、それでも全体の3分の1くらいはあまり良くない商品が占めているように思えます。

つみたてNISAでは、金融庁が定めた厳しい基準をクリアしなければならないので、粗悪な商品が混ざる心配はないでしょう。

 

税金について

つみたてNISAも確定拠出年金も、運用中の税金が一切かからないことが最大のメリットです。

節税できるのはもちろん、コストが減って将来のリターンを大きく伸ばすことができます。

つみたてNISAは、最初から最後まで全部非課税ですが、確定拠出年金の場合、運用後の税金がかかる可能性があります。

確定拠出年金の場合は、60歳まで引き落とすことができないので、60歳になった時点で一括で受け取るか、数年に分けて受けとるかのどちらを選択することになります。

税法上は、退職金として扱われるので、金額が大きいと課税されてしまう可能性があるのです。とはいっても、通常の退職金よりは優遇されています。

例えば、38年間会社に勤めた場合は、約2,000万円まで退職金に課税されません。逆に言えば、会社の退職金+確定拠出年金で運用した額が大きいと、一部分は課税されてしまうということになります。

その場合は、退職金と確定拠出年金を別々の年で受け取るなどの工夫が必要です。とはいえ、運用中の税金がかからないメリットのほうが大きいので、あまり大きなデメリットではないでしょう。

確定拠出年金の場合、このデメリットをひっくり返すほどの大きいメリットがあるのです。次の項目で説明します。

 

確定拠出年金の大きなメリット

確定拠出年金には、運用益が非課税と同じくらい大きなメリットがあります。それは、「掛金が全額所得控除できる」ということです。

所得が多いほど、住民税や所得税が多くとられてしまうのはご存知ですよね。自営業の人がが経費でいろいろ買ったりするのも、所得を減らして節税したいからです。

生命保険や医療保険の掛金も控除できたりしますが、全額ではなく一部のみです。全額控除できる確定拠出年金は、非常に太っ腹な制度なのです。

出典「船橋市」

これは千葉県船橋市の場合ですが、他の市町村でもおおむねこの水準だと思います。課税所得によって、単純に一番右側の合計税率をかけた金額が税金として取られてしまうということですね。

管理人の場合は、課税所得は195万円以下、確定拠出年金の積立額は年額144,000円なので、所得から全額差し引くと、

144,000×15%=21,600円

となり、2万円以上節税できることになります。これは一番課税率が低いパターンなので、実際はもっと節税できることが多いと思います。

所得がある人なら、最低でも掛金の15%以上が節税できる計算になり、大変お得です。

掛金が多いほど、所得が高いほど節税効果が高くなります。

これは確定拠出年金にしかないメリットで、つみたてNISAでは一切関係ない部分になっています。

 

確定拠出年金の大きなデメリット

確定拠出年金が万人にオススメできない最大の理由は、「原則60歳まで引き落とし不可」という大きなデメリットからです。

条件付きで解約できることもありますが、加入者が万が一の状態になったときや、掛金がごく少額である場合などの限られた状況のみです。そのため、基本的にはいかなる場合も引き出せないと考えていいです。

なので、60歳まで絶対に使わないお金を積み立てていくことになるのですが、人生は何があるか分かりません。

大きなケガや病気になるかもしれないし、自動車・マイホームといった大きな買い物をするときもあります。将来の安心を買うための制度ですが、突然の出費に対応できなくなる大きなリスクがあります。

つみたてNISAでは、特にペナルティなくいつでも解約できるので、突然の出費があっても安全です。

当サイトでは、普段の通帳代わりにつみたてNISAを積立して、そのうえで余ったお金を確定拠出年金で積立ていくという活用方法を推奨しています。

 

つみたてNISAと確定拠出年金の比較まとめ

両方とも、長期の資産運用に長けた素晴らしい制度であることには変わりありません。それぞれ特徴を踏まえて自分に合ったほうを選びましょう。

確定拠出年金がオススメ
・60歳以降の将来を見据えて資産運用したい人。
・既に貯金があり、突然の出費でも対応できる人。
・所得が多く、掛金控除のメリットが大きい人。

 

つみたてNISAがオススメ
・とりあえず資産運用を始めたい人。
・あまり貯金がない人。
・どちらにするか迷っている人。

 

確定拠出年金は、運用益が非課税&全額掛金控除というWのメリットがあります。その代わり、60歳まで一切引き落としができないので、軽い気持ちで運用するのは危険です。

つみたてNISAは運用益が非課税というメリットしかありませんが、途中で自由に引き出しできるので、突然の出費でも対応できて安心です。(資産運用という観点ではあまり好ましくはありませんが。)

確定拠出年金はメリットも大きいけどデメリットも大きい、つみたてNISAはメリットそこそこだけど大きなデメリットはないと考えてください。

投資初心者の人や、どちらにするか迷っている人は、とりあえず「つみたてNISA」から始めてみてください。

慣れてきたら、両方フル活用して将来の資産を増やしていきましょう!

参考記事…生活防衛資金とは?

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