最も不安なこと

つみたてNISA(積立NISA)では、主に投資信託を積立していくことになります。

資産運用で一番怖いのは、元本割れすることではないでしょうか?せっかく長期間積立していたのに、元本割れしてしまったら悲しいですよね?

結論から言うと、つみたてNISAでの運用は元本割れする可能性はあります。

長期の資産運用に向いている制度では、他に現在のNISAや、確定拠出年金(iDECO)があります。

参考記事…他の制度との違い

他の制度では、選択肢が多いので、元本保証された商品を選ぶことができます。元本割れしないように運用することもできます。

 

元本割れする理由

ですが、つみたてNISAで選ぶことができる投資信託は全て元本保証されていません。投資信託は、みんなから集めたお金で運用会社が投資をしてくれる仕組みです。

出典「価格.com」

そのため、私たちが直接積立するのは投資信託であっても、事実上は株式・債券・不動産などに投資することと同じです。

株式・債券・不動産への投資は、基本的に元本保証はあり得ません。少なくとも、つみたてNISAで投資できる投資信託では、元本保証をしているものはありません。

基本的に投資の世界では、元本保証の商品ではわずかなリターンしか得ることしかできません。元本保証なのに高リターンな商品があったらそれは100%詐欺です。

裏を返せば、リターンを得たいならば元本割れするリスクを背負う必要があるわけです。ですが、それはギャンブルをしなければならないという訳ではありません。

 

長期投資ではほぼ元本割れしない

出典「金融庁」

これは、金融庁が資料で発表したデータです。1985年以降の国内外の株式や債券に毎月積立投資をした場合のシュミレーションです。

左側の保有期間5年の場合、投資した100万円が72万~173万円の間の成績になっていたことを表しています。保有期間5年の場合、大きく元本割れする可能性がありました。

ですが、右側の保有期間20年間の場合、投資した100万円185万円~321万円になっていました。幅はありますが、1985年以降に20年間積立していれば、どのタイミングでも元本割れしなかったことになります。

なぜこうなるかというと、株式や債券の期待できるリターンはプラスだからです。株式や債券に投資するということは、企業の業績悪化や倒産のリスクを負うからです。

金融の世界では、リスクとリターンは比例します。正しいリスクは、正しいリターンを生みます。

 

株式と債券は長期でプラス

また、多くの株式や債券の長期リターンはプラスになります。

過去100年間のデータでは、株式のリターンは大きくプラスになっています。ですが、債券に関しては日本とドイツがマイナスリターンになっています。

ですが、これは債券のリターンが悪かったというよりは、戦後のハイパーインフレが原因です。この状況では大事にタンス預金を持っていても、最終的にはほぼ紙屑になっていました。

言い換えれば、多くの国ではタンス預金をするよりも、株式や債券に投資していたほうが安全だったことを意味しています。

タンス預金や定期預金は確かに元本割れしませんが、長期では一切増えません。それどころか、歴史的にはインフレが起きてだんだん価値が減ってしまいます。

さすがに今後ハイパーインフレが起きる可能性はかなり低いですが、時間がたつにつれ価値が減っていることは確かです。

そのため、これまでの歴史では現金よりも株式や債券のほうが安全だったといえるのです。ですが、世間では株式や債券は危険なものだといわれています。

株式や債券などへの長期投資は、決してギャンブルではありません。むしろ歴史から考えれば、現金だけで持っていることが最も危険なギャンブルともいえるのです。

 

よくある失敗例

ですが、多くの人は投資で損をしてしまいます。いったいなぜでしょうか?いくつか理由を挙げていきます。

 

理由①…頻繁に売買してしまう

投資といわれると、安く買って高く売るイメージがあります。ですが、頻繁な売買は手数料や税金が多くかかるので、長期では悪影響になります。

また、買う人と売る人がいるので、どちらかが得すればどちらか破損します。高く売れた人の裏には、安く勝ってしまった人が必ずいます。

そのため、全体では儲かる人と損する人がだんだん二極化してしまうのです。

 

理由②…ボッタくり商品を買っている

現在の日本では、残念なことに投資価値がほぼないようなボッタくり商品が蔓延しています。購入するだけで3%の手数料を取られたり、毎年投資金額の2%を取られたりします。

ですが、長期投資で期待できるリターンはせいぜい年間3~7%ほどです。そのうちのかなりの部分を金融機関に取られてしまうことになります。

つみたてNISAでは売買手数料無料が必須条件になっているし、信託報酬にも厳しい条件があるので、少なくともボッタくり商品はありません。

 

理由③…正しいリスクをとっていない

リスクとリターンは比例します。ローリスクハイリターンは存在しません。ですが、ハイリスクローリターンという存在価値のないものは確かに存在します。

正しいリスクとは、広い分散投資です。分散投資をすることで、どれかがダメになっても他でカバーできます。ですが、少ない分散だと、投資が失敗した時のダメージが大きいです。

幅広く分散投資をしていれば、どれか1つの企業が倒産しても影響はないですが、たった数銘柄への投資だった場合は、影響は非常に大きいです。

株式や債券全体の期待値はプラスですが、集中投資をしている場合はプラスであるとは限りません。確かに集中投資ではうまくいけば大きなリターンを得られますが、それ以上に減ってしまうリスクも非常に大きくなります。

 

理由④…インデックス投資をしない

「株式や債券全体の成績がプラスでも、マイナスの人はいる」という話をよく聞きます。確かに全体ではプラスですが、1人1人を見ていけば大損している人もいます。

ですが、投資では全く勉強をせずに平均の成績を取ることができます。それがインデックス投資です。インデックス投資では、自分で銘柄を選ばないで、可能な限り全てを保有します。

例えば、とある株式市場全体の成績がプラスであれば、そこに上場している株式をすべてまとめて買ってしまえば、その投資家の成績はプラスになります。

上場している企業は数千社以上あるので、個人では不可能ですが、投資信託を使えば可能です。

むしろ、つみたてNISAで採用されている投資信託の大半がインデックス型投資信託なので、つみたてNISA=インデックス投資であるといっても過言ではありません。

難しい知識や投資のスキルも、つみたてNISAではほとんど関係ありません。

 

理由⑤途中で売ってしまう

つみたてNISA含め長期投資で最もやってはいけない失敗です。20年間積立投資をしていれば、元本割れするリスクは限りなく低いです。

裏を返せば、途中で売ってしまったら元本割れするリスクは高いということです。

例えば、2008年のリーマンショックでは、株価が半分になってしまいました。多くの人がパニックになり株式を手放してしまいました。

ですが、その後数年で株価は急成長し、大きなリターンを得ることができました。積立投資では、基本的にドルコスト平均法で積立をしていくので、大きな下落があると安い値段で購入できるメリットがあります。

売らずに我慢できても、積立を中止してしまう可能性もあります。

これらの行動は、安い時に売る・安い時に買わないという非常にもったいない行動をしていることになります。

理屈では元本割れするリスクは低いとわかっていても、自分の資産が半額まで下がってしまったら、多くの人は売ってしまうのではないでしょうか?

積立投資では、何があっても途中でやめない強いメンタルが必要です。

 

元本割れするかまとめ

つみたてNISA(積立NISA)は、元本保証がない投資信託を20年間積立していきます。ですが、正しい投資信託を選ぶことができれば、ほぼ元本割れしないといっていいでしょう。

ですが、20年間何があっても積立をやめないことが条件です。多くの人は、株価が下落すると売ってしまいます。

つみたてNISAでは、特別な知識やスキルは必要ありません。投資信託の選び方も、当サイト含めどこも似たようなことが書いてあるはずなので、比較的スムーズに選ぶことができるはずです。

一度決めてしまえば、自動引き落としで積立を始めて、あとは年に1回くらい調整してあげればいいです。なので、「投資をする時間がない」や「難しそう」という言い訳は一切通用しません。

長期投資による資産運用は、全ての人に必要で、全ての人が簡単に実行できます。

最も大事なのは、どんな時でも積立をやめないメンタルです。長期投資では、知識よりも心の強さが大事です。

参考記事…投資はギャンブルではない