つみたてNISA(積立NISA)は、非課税期間が20年と非常に長いです。また、途中で売却するとその枠は利用できなくなってしまうため、同じ商品を20年間持ち続けることが前提の制度になっています。

最近では長期投資についての情報も増えてきましたが、まだまだ投資といえば、安く売って高く売るというスタイルが主流に感じます。

なぜ長期投資は今まで注目を浴びることがなかったのでしょうか?

 

金融機関が儲からないから

様々な理由がありますが、最も大きい理由は金融機関にとってメリットがないからです。

今まで日本の銀行や証券会社は、顧客ではなく自社の利益を優先して商売をするという慣習が強く残っていました。

今まで投資信託といえば、販売時に手数料を取るものが一般的でした。購入時に3%くらい取られてしまうことも珍しくありません。

これは、100円で買った商品をすぐ売ろうとしても97円でしか売れないことを意味しており、決して無視できないコストです。

さらに、この手数料は顧客に買ってもらうたびに徴収することができるため、何度も繰り返し売買させようとする思惑が働きます。

そのためには、乗り換えたくなるような流行に沿った商品をひたすら開発していく必要があります。そして、既に保有してもらっている投資信託から乗り換えさせようとするのです。

投資信託の乗り換えが発生するたび、金融機関には販売手数料が舞い込んでくるという話です。

金融機関がその都度高リターンな商品を提案できれば別に問題ありませんが、流行の投資先というのは、短期間でひどい結果になることが歴史的に繰り返されています。

結果、高い売買手数料の埋め合わせができないばかりか、大きな損失につながってしまうケースがほとんどです。

金融機関にとっては、同じ商品をずっと保有してもらうだけでは旨みがないのです。

結果、長期投資そのものが金融機関にとっては敵だということになります。

つみたてNISAでは、販売手数料無料(ノーロードといいます)しか認められていないため、このような回転売買を勧める意味はありません。

顧客の利益になる健全な商品を販売する金融機関にとって優しい制度となっています。

 

リターンが少なすぎるから

つみたてNISAで想定されているようなインデックスファンド中心の長期投資は、大儲けできるような投資法ではありません。

元本割れのリスクを抑えつつ、安定したリターンを狙うことが目的です。

株式や債券の長期リターンは、ポートフォリオにもよりますが2~8%程度となります。

20年間では、せいぜい投資元本が1.5~4倍になる程度の効果しかありません。

これは、世間でよく宣伝されるサービスと比べてあまりにもショボい内容です。また、リーマンショック級の事件が発生すれば、一時的には半額以下になる可能性もあります。

大したリターンを得られない代わりに、リスクはそこそこ大きいというのが世間的な評価になりそうです。

一言で言ってしまえば、長期投資はあまりに堅実過ぎて面白みに欠けるのです。

しかし、プロ個人問わずほとんどの投資家が市場平均に負けてしまうことを考えれば、長期投資で得られるリターン以上を望む場合、とても大きなリスクを背負う必要があることを忘れてはいけません。

日本人は堅実といわれていますが、競馬やパチンコなどが人気の国民性を考えると少し疑問に思います。

もちろん株式や債券による長期投資は、資本主義社会では当然の資産運用方法であり、期待リターンがプラスである以上、決してギャンブルではありませんのでご安心ください。

 

内容が地味過ぎて宣伝できないから

最近世間では、株主優待投資や仮想通貨などが人気になっています。

これらは何となく企業や仮想通貨技術に応援した気持ちになることができ、投資しているという実感を得ることができます。

しかし、つみたてNISAで主に採用されているインデックスファンドの場合、限りなく広範囲にまとめて投資しているため、投資家としての実感が沸きずらいという心理的なデメリットがあります。

また、基本的に配当金や優待をもらうことができず、20年間はずっと積立続けることしかできません。

また、売却することなくひたすら積み立てる関係上、金融危機や通貨危機などを全部ダイレクトに受けてしまいます。

日本人は高いリターンを望む人or元本保証を望む人がはっきり分かれているため、その間であるミドルリスクミドルリターンな長期投資はあまり需要がないのかもしれません。

 

長期投資が流行らない理由まとめ

これだけ様々な原因があれば、長期投資が流行しないのは必然ともいえます。

金融機関が儲からず、宣伝できる大きな魅力もありません。

しかし、つみたてNISAで運用するような長期投資は、元本割れのリスクを限りなく抑えるだけでなく、プロの成績にすら勝ててしまうという素晴らしい投資戦略です。

ただし、非常に長い時間と、下落に耐える忍耐力が必要です。それを乗り越えることができれば、つみたてNISAは素晴らしいリターンをもたらしてくれるはずです。

そもそも長期投資自体が流行に流されてはいけない投資法ですから、周りに左右されず自分だけの資産運用をしっかり行っていきましょう。

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